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【土木用語解説】盛土とは?特徴や工法、注意点を徹底解説!

「盛土(もりど)」は、土木工事や建築工事に欠かせない基本的な技術のひとつです。地盤を高くしたり安定させたりするための工法で、道路工事や宅地造成、ダム建設など幅広い分野で使用されています。この記事では、盛土の意味や手順、注意点について詳しく解説します。


盛土とは?

盛土とは、土を積み上げて地盤を高くする工法です。建物や道路の基盤を作るために、地形や地盤の形状を人工的に整える作業を指します。高さの調整や地盤の安定化を目的として行われ、土木工事では欠かせない工程のひとつです。

盛土が必要な理由

  • 地形を平坦化して基盤を作るため
  • 道路や橋の高さを調整するため
  • 地盤を補強して構造物を安定させるため

盛土の主な用途

  1. 道路工事
    高速道路や一般道路の高さや形状を整えるために使用されます。滑らかな勾配を作り、車両の安全な走行を支えます。
  2. 宅地造成
    山や傾斜地を平らにして住宅や工場を建設するための土地を整備します。平坦な土地を作るために大規模な盛土が行われます。
  3. ダムや堤防の建設
    ダム本体や堤防の強化のために盛土が活用されます。水圧や浸食に耐えられるように設計されています。
  4. 鉄道の築堤
    鉄道の線路を高くすることで、列車の走行をスムーズにし、水害を防ぐために行われます。

盛土の施工手順

盛土は、適切な計画と施工が重要です。以下にその基本手順を解説します。

1. 設計と計画

まずは盛土を行う範囲や高さ、勾配を設計図に基づいて計画します。地盤の特性や排水計画なども考慮されます。

2. 地盤の準備

盛土を行う前に、地盤を整地します。場合によっては、軟弱地盤を強化するための地盤改良が必要です。

3. 土の運搬と敷き均し

必要な土を運び、層ごとに薄く敷き均します。一度に大量の土を盛ると沈下のリスクがあるため、20~30cmごとに丁寧に敷きます。

4. 転圧(てんあつ)

ローラーや専用の転圧機で土をしっかりと押し固めます。この工程を繰り返すことで、地盤が安定し、沈下や崩壊を防ぎます。

5. 仕上げ

最終的に設計図通りの高さや形状に整え、表面を平らに仕上げます。


盛土で使われる材料

  • 山土: 山から採取された一般的な土。
  • 砂利や砕石: 強度を高めるために使用されます。
  • 粘土: 水を通しにくい性質があるため、特定の用途で使われます。
  • 再生材: 建設現場で出た土やコンクリートをリサイクルして利用するケースも増えています。

盛土の種類

  1. 構造盛土
    道路や鉄道、建物を支えるために施工される盛土で、特に耐久性が求められます。
  2. 擁壁盛土
    擁壁(ようへき)の裏側に土を盛る工法です。主に斜面や傾斜地の安定化に用いられます。
  3. 法面(のりめん)盛土
    斜面を作る盛土で、道路や堤防の側面に使われます。植物を植えて浸食を防ぐこともあります。

盛土を行う際の注意点

盛土は正確に行わないと、構造物に重大な影響を及ぼす可能性があります。

  1. 地盤沈下の防止
    転圧が不十分だと、時間が経つにつれて地盤が沈下し、道路や建物が傾くリスクがあります。
  2. 排水対策
    盛土の表面に水が溜まると浸食の原因になります。適切な排水計画を立てることが重要です。
  3. 環境への影響
    大規模な盛土は周辺の自然環境や生態系に影響を与える可能性があります。そのため、環境に配慮した施工が求められます。

盛土のメリット

  • 必要な高さや形状を自由に設計可能。
  • 地盤の補強ができる。
  • 平坦な土地を作ることで、建設工事の自由度が向上する。

まとめ

一見シンプルな作業に見えますが、盛土は土木工事において不可欠な技術であり、道路や住宅地、鉄道などさまざまな構造物を支えています。